謙虚さと礼儀正しさ

時代が変わっても、人に好かれる人というのはこういう人なんだろうと思った。

映画「マイ・インターン」を見た。

Robert De Niro扮する70歳のBenが高齢者インターンとして創業間もないインターネットベンチャーの会社で働き始める。

回りにいるのは自分よりもずっと年下の社員たち。

しかし彼は、年齢にかこつけて偉ぶるでもなく、妙なプライドで飾るでもなく、むしろ新米インターンとして周りに教えを請う。

周囲に配慮しつつ、出しゃばらず、自分にできることを見つけて少しずつ会社に溶け込んでいく。


主体性とはこういうこと、と新入社員のみなさんに伝えたいシーンだ。

出来ることはある。指示を待つのではなく、自分で見つけて役に立とうとする姿勢。そんな姿勢に周囲の彼を見る目は変わり始める。


また、みなりも整っている上に礼儀作法もいい。

パリッとしたシャツに品のいいネクタイをしっかりと結び、スーツで決める。

同僚に合えば笑顔であいさつ。時には相手に合わせてグーでハイタッチ。

年下のBOSSであっても、声をかけられればスッと席を立ち、さりげなくボタンを掛けて対応する。

長く使っているアタッシュケースは年代物。しかしそれは仕事の道具を大事にする彼の姿勢の現れ。

常に持ち歩き、自分のためではなく誰かの為に使うためのハンカチ。同僚やBOSSにさっと差し出す優しさと気遣いにグッとくる。


そんな彼の風貌と謙虚な立ち居ふるまいは好感度高く、ベンチャーの自由な気風の中で異彩を放ちつつも、若者たちが彼に惹かれていく。

その上、ベテランゆえの知識と洞察と率先して動く行動力で、BOSSも信頼を寄せ始め、彼は社長秘書の補佐にまで昇格する。


謙虚さと礼儀正しさ。

やさしさと芯の強さ。

リーダーとはこういう人ではないかと思う。


いくつ歳を重ねても「こうでありたい」と思わせるロールモデルの一人だった。


と同時に、Robert De Niroという俳優の魅力にも取り憑かれた。



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